
変化に富んだ楽しく美味しい料理。フレンチコースをいただきました
次は洋食、フレンチです。「フレンチ ル・プラトー」の「日本海と信州の恵みフレンチ Gourmand(グルマン) 9,680円[税込・サ込]」をご紹介します。
料理長のこだわりが詰まった、変化に富む楽しく美味しい料理。
次はどんな料理と出会えるのかワクワクします。
~水無月の安曇野~ アミューズ・ブーシュ
一目で心を掴まれるアミューズ。
料理長いわく、この一品目が自分の料理の集大成であり、ドラマのはじまり。音楽でいう序曲みたいな感じとのこと。
白いプレートを彩るのは、まるでデザートのような装いの料理たち。
- 大雪渓酒造の米麹を使ったさっぱりと奥深い「ル・プラトー・オリジナル甘酒」
- 鴨とパンケーキという意外な美味しい組み合わせ「信州フランス鴨のリエットと信州そばのブリニ」
- シェフ自ら作る自信のベーコン。じゅわりと染み出る旨みがたまらない「羊の自家製ベーコン」
- またも意外で芳醇な一口「大雪渓酒造の酒粕と信州味噌でマリネした信州ハーブ鶏のシューサンド」
ソーセージやハム、ベーコン、テリーヌなど、お肉を加工するのが大好きで、ホテルに入ってからずっとやっている、これだけは人に譲れないという料理長自作のベーコンを早速味わえます。
これからどのような展開を迎えるのか、楽しみになるはじまりのプレートです。
先ほどのアミューズでも使われていた大雪渓酒造のお酒。
こちらは同酒造の「純米吟醸無濾過生原酒」です。
フルーティながらもキレがあり、シュワッと感もあって飲みやすい。
フレンチに日本酒?と思うかもしれませんが、料理とあわせてみると違和感はありません。
もしも出会えたら、ぜひ飲んでみてください。
安曇野産野菜と富山県魚津港から届いたバイ貝のエチュベ
赤い可愛らしい器のふたを開けると、ふわりと温かくよい香りと、いかにもホクホクしてそうな面々が。
筍、ブロッコリー、マッシュルーム、トマトといった地元の野菜と、富山県魚津港から届いたバイ貝。エチュベとは、食材の持つ水分で蒸し焼きにした料理のことです。
伊勢海老のコンソメスープと大葉のピューレがアクセント。
バーニャカウダーソースにつけて頂けば、素材の良さが引き立ちます。
野菜が苦手な人も、野菜本来の美味しさに気づけるでしょう。
富山県ではバイ貝は幸せが倍(バイ)になるとして縁起物とされているそう。お祝いの席に必ず登場するというバイ貝は食感も幸せです。
ユメアサヒ小麦の自家製パン
作れるものはすべて作ることをポリシーにしている料理長。
そうすると、何を使っているかわかるし、作ったものに対して責任を持つようになるからだそう。
小麦粉は作れないけど、パンは作れるというわけで、このパンも毎朝料理長が手作りしています。
地元の小麦「ユメアサヒ」を使ったパン。小麦本来の味わいがわかるハードロールとクルミパンは温められてから提供されます。
おかわり歓迎とのことなのでぜひ!
クレーム・デュ・バリー“赤いペンダントと木の実のイヤリングを纏って”
登場したのは白いスープ。こちらは信州産のカリフラワーを使用したポタージュです。
「デュ・バリー」の由来は、カリフラワー好きだったルイ15世の公妾「デュ・バリー夫人」から。夫人のカリフラワーのようなモコモコのカツラから付いたという説もあるそう。
ポタージュは何ともやさしいお味。手前のローストナッツと一緒にいただくと、香ばしさと心地よい歯ごたえが加わって、また違う魅力が。さらに刻まれたビーツを加えると夕焼け空のように染まります。2度、3度違う顔を見せる楽しい一皿です。
~水無月の日本海からの贈り物~ 本日のお魚料理
富山魚津港直送の日替わりの鮮魚(この日はメバル)をポワレ。皮はパリッと、身はふっくら仕上がった魚の下には、伊勢海老の旨みがしみたコンソメスープ仕立てが広がります。魚と一緒にいただくと、思わず笑みがこぼれます。
安曇野産の木耳(きくらげ)のコリコリとした食感と、小林さんが育てた甘い新玉葱が魅力をプラス。お魚の上には、海老せんべいがもっとリッチになったという感じの、アメリケーヌソースで作られたチュイル(瓦を模した薄焼きクッキー)が。魚と一緒に口に運べば、新たな美味を発見できます。
お口直しのグラニテ マロウとレモンが出会ったら
池田町にあるハーブの里から届いた「マロウ」というお花を使ったグラニテ(氷菓)。
爽やかひんやり、適度な甘みで、お口の中をリフレッシュできます。
レモンを絞ると、あることが起こるのでお楽しみに。
コースのメリハリ、ちょっと休憩…というときもわくわくは止まりません!
“信州産黒毛和牛”の炭火焼き 安曇野山葵と赤ワインソース
選べるメインディッシュ。1つ目のメインディッシュは赤身と霜降りのバランスが絶妙な信州自慢の牛肉「信州産和牛」を炭火で丁寧に焼いた一品。見た目では炭で焼いたかどうかわからなくても、食べた瞬間、香りでわかります!
自家製の赤ワインソースがお肉の旨みをまた引き立てるんです。
お皿のフチには、おろしたての「安曇野本わさび」、フランス産の「マスタード」、新潟県村上市から届いた茶色のお塩「村上の藻塩」、1000年続く伝統あるフランスの海塩「ゲランド」が。ぜひ全種類と、お肉のマッチングをご堪能ください。
四賀あいあい鴨胸肉のロースト ヴィオレマスタードを添えて
選べるメイン2つ目は、松本市四賀地区にある知的碍者施設で丹精込めて育てられた「四賀あいあい鴨」。一般市場には出回らない貴重な鴨の胸肉をローストした逸品です。
噛むほどに旨みがわかる鴨肉。さっぱりとしていてヘルシー感があるのも良し。ソースは赤ワインソース。そして、黒毛和牛の炭火焼同様、本わさびなどのほか、ヴィオレマスタード(カラシ種子を挽かずにブドウ果汁やシナモン等のスパイス、ビネガーを加えたもの)という少し甘めのマスタードでもいただけます。
牛・豚・鶏と比べたら食卓にのぼることは少ないであろう鴨肉の料理。この一皿で鴨の魅力に目覚めるかもしれません。
フォレ・ノワール “安曇野の夜の森”
デザートは2種類から選べます。
1つ目は期間限定デザート。「フォレ・ノワール」はフランス語で「黒い森」。ドイツ南西部にあるシュヴァルツヴァルトの針葉樹の森にちなんで名づけられた、チョコレートとチェリーを使ったデザートです。本来はケーキなのですが、料理長はパフェ仕立てに。テラスから見える「安曇野の夜の森」をイメージして考案したそうです。
9つものパーツを組み合わせて出来上がった渾身のデザート。食べ進むごとに味が変わり、合わさりして、抜け出せない美味しい森に迷い込んだ気分になります。
清水牧場のブラウンスイス牛の牛乳と和三盆のプリン
もう1つは標高2000mに位置する清水牧場の濃厚な牛乳を使用したこだわりのプリン。
牛乳はなんと1本700円という貴重なものだそう。
一口で、今までのプリンの概念が崩れます。
まったり濃厚、クリーミーで、甘さは極めてナチュラル。和三盆を使用したカラメルと絡めると、また上質な甘やかさに。思わず目を閉じて味わってしまうほど美味です!
食後は、インドネシアの幻のコーヒー「トアルコ・トラジャ」or 紅茶 or 自家製ボタニカルティーを小菓子と共にいただきます。
※写真は取材当時のメニューです
※時期やその日の仕入れによりメニューは変更になります
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