岩崎・住友と並ぶ熱海の三大別荘の一つ「起雲閣」とは?熱海別荘の現状も      

2020.03.09

日本のリゾート地と聞いて熱海をイメージする方は多いのではないでしょうか。

古くから温泉地として知られ、多くの人々に親しまれてきた熱海の地には独特の別荘文化が育まれてきました。

岩崎、住友といった財閥由来の別荘と共に“熱海の三大別荘”のひとつに数えられる「起雲閣」は現在一般公開されており、贅を凝らした名邸と自然豊かな日本庭園を見ることができます。

大正モダンの息吹きを今に伝える「起雲閣」の魅力とあわせて、熱海の現代の別荘事情についてもご紹介します。

 

熱海ってどんなところ?

リゾート地として未だ高い人気を集める熱海ですが、どんな見どころがあるのでしょうか。

熱海の魅力とその歴史について調べてみました。

 

徳川家康が湯治に訪れた温泉地

熱海といえば温泉ですが、その起源は遠く奈良時代までさかのぼります。

海中に温泉が湧き、海水が熱湯になったことから「あつうみが崎」と呼ばれ、そこから熱海という地名が生まれたといいます

古くから多くの湯治客が訪れる温泉地として知られ、江戸時代には徳川家康が保養に訪れ、温泉の湯を江戸城に運ばせたという記録も残っています。その後、多くの大名が参勤交代の折に立ち寄るようになり、江戸時代を通して熱海は国内有数の保養地として人気を博すようになりました

明治期になってもその人気が衰えることはなく、明治18年(1885年)には日本初の温泉保養センターが設立されています。

東京に近いということもあり、明治の元勲や財界人、文化人たちが集う社交の場としての役割も熱海は果たすようになります。1881年(明治14年)には伊藤博文、大隈重信らが「熱海会談」という政治や憲法について話し合う場を持ちました。

市街に残る旧宅や街並みには、かつて近代日本の黎明期を支えた熱海の歴史と当時の佇まいを見ることができます。

 

1年中花咲く自然を楽しめる

熱海の魅力のひとつに温暖な気候が育む美しい自然があります。

1月には早くも濃いピンク色のあたみ桜が花開き、熱海梅園の梅と妍(けん)を競います。3月にはソメイヨシノ、5月にはツツジやバラが見頃を迎え、初夏になれば青紫のジャカランダが涼やかな花をつけ、真っ赤なブーゲンビリアも艶やかな姿を見せてくれます。

1年を通して街のいたるところで咲き誇る四季折々の花々が楽しめ、11月から12月にかけては遅い秋の訪れと共に真っ赤に染まった紅葉を鑑賞できます。

 

熱海ならではのグルメが充実している

熱海は数多くの飲食店が立ち並ぶグルメの街でもあります。

保養で訪れる多くのセレブ達の舌を楽しませてきた熱海の食文化は、この地を訪れたら一度は体験しておきたいところです。

熱海港や網代港でとれた新鮮な魚介をたっぷりと使った海鮮丼やお刺身はもちろん、文明開化のノスタルジーを今に伝える洋食屋、昭和レトロな空間が懐かしい純喫茶など、さまざまな食体験が楽しめますまた、多くの旅館がお茶請けとして提供してきた和菓子も味わうべき一品です。

日本一の生産量を誇る橙(だいだい)を使ったあらゆる料理も市内で堪能でき、橙を使ったポン酢やドレッシング、和洋菓子などお土産品も充実しています。

 

熱海の三大別荘とは

熱海は、ドイツ人の建築家「ブルーノ・タウト」によって設計された旧日向別邸や製紙系財閥の別荘だった「陽明館」など、数多くの別荘があることでも知られています。

中でも“熱海の三大別荘”と呼ばれているのが「岩崎別荘」「住友別荘」、そして「起雲閣」です。ここでは熱海の別荘文化と三大別荘について詳しくご紹介します。

 

熱海の別荘文化の象徴

明治40年(1907年)に小田原ー熱海間に国鉄熱海線が開通すると、東京から近い湯治場である熱海に、続々と多くの著名人が別荘を構えるようになりました。

その多くは贅を凝らした瀟洒な造りと、和洋折衷のデザインが特徴です。

昭和にいたるまでこの地で発展してきた別荘文化の象徴ともいえるのが熱海の三大別荘です

 

岩崎邸(熱海陽和洞)は非公開、住友邸は現存しない

残念ながら三大別荘のうち「住友別荘」は現存しません

また、三菱財閥の4代目・岩崎小彌太氏の別荘として建てられた「岩崎別荘」(現・熱海陽和洞)は三菱系の会社が管理しています。現在は非公開となっており、関係者以外立ち入ることができません。

 

起雲閣は一般公開されている!

三大別荘の中で唯一、一般公開されているのが「起雲閣」です。

大正8年(1919年)に建てられた「起雲閣」は、JR熱海駅から車で約10分、市街地にほど近いところに位置しています。熱海駅からいくつかのバス路線でアクセスも可能で、湯~遊~バスなら「起雲閣西口」で下車、徒歩2分ほどです。

約三千坪の広大な起雲閣敷地内には日本庭園と9つの建物があり、大正時代ならではのモダンな意匠と壮麗な建築美を堪能できます

2002年(平成14年)には熱海市の指定有形文化財となり、熱海の人気観光スポットとしても知られています。

 

管理は地元の主婦が運営するNPO法人

起雲閣は現在、熱海市の所有で、その維持管理にあたっているのがNPO法人あたみオアシス21です。

1999年(平成11年)、それまで旅館として営業していた起雲閣の廃業が決まり、競売にかけられることになりました。しかし地元で愛されてきた歴史ある建築物がなくなってしまうのではないかと危惧した市民の間から保存を望む声が上がり、市民運動へと発展しました

多くの市民の熱意に後押しされる形で熱海市が敷地と建物の権利を取得、市民運動の代表のひとりだった女性がNPO法人を立ち上げ、2012年(平成24年)に起雲閣の管理を任されるようになりました。法人のメンバーは女性だけで地元の主婦が中心となって活躍しています

起雲閣が地元の人たちにいかに大事にされてきたかがわかるエピソードですね。

 

起雲閣の見どころ

三千坪の広大な敷地に広がる日本庭園と点在する9つの施設はそれぞれに趣向が異なり、さまざまな世界観を楽しむことができます。表門の薬医門(やくいもん)をくぐれば、大正モダンの真髄がつまった起雲閣の世界に招待されます。

ここでは起雲閣の見どころをいくつか見ていきましょう。

 

バリアフリー設計

起雲閣はもともと海運王の異名をとった実業家・内田信也氏が母親のために建てた純和風の別荘でした。母親は足が悪かったため、車椅子で移動しやすいよう考慮されたバリアフリー設計がなされています。これは当時としてはかなり珍しい工夫です。

座敷を囲む畳廊下を座敷の高さと揃えて段差をなくした造りに、母を気遣う子の思いをうかがい知ることができます。

 

洋館とローマ風浴室

大正14年(1925年)、内田氏から起雲閣を買い取ったのが、鉄道王と呼ばれた東武鉄道社長・根津嘉一郎氏です。隣の土地も買い上げて敷地を広げ、敷地内に湧出した温泉を利用してローマ風の浴室を備えた洋館「金剛」を増築しました。

日本家屋そのものだった起雲閣は二代目の所有者の手によって和洋折衷の大正モダンの息吹きを吹き込まれることとなったのです。

「金剛」内の暖炉の上には草花などさまざまな模様の螺鈿細工(らでんざいく)が施されています。また、タイル貼りの浴室では、窓に嵌め込まれたステンドグラス、肌触りが良く滑り止めにもなることを考慮して浴槽の周囲に配置された木製タイルなどを見ることができます。

さらに昭和に入ってから、洋館「玉姫」「玉渓」の2棟が増築されました。

「玉姫」は暖炉を中央に据えたヨーロッパスタイルですが、天井には日本の神社に見られる様式を採用。シルクロードを思わせる唐草模様や中華風の彫刻も配置し、独特の美的空間を作り上げています。併設のサンルームは天井に大きな窓とステンドグラス、床は色鮮やかなタイル貼りで、アールデコのデザインを基調としています。

「玉渓」は中世イギリスのチューダー様式を取り入れた造りで、暖炉にはサンスクリット語の飾りがあり、入口天井には茶室を思わせる竹を使うなど、こちらも和洋折衷のデザインとなっています。

 

加賀の群青壁

起雲閣は1947年(昭和22年)、第三の所有者・桜井兵五郎氏に買い取られることとなります。桜井氏は実業家で、当時”東洋一”と称された白雲楼ホテルを開業した人物でもありました。

これまでの手腕を活かして起雲閣も旅館として営業を開始し、太宰治や谷崎潤一郎、志賀直哉ら数多くの文豪たちに愛されるようになりました。ちなみに起雲閣という名前も旅館時代につけられたものです。

和館1階の部屋「麒麟」の壁はこの頃、鮮やかなブルーに塗り替えられました。

和室の壁を青く塗るというのはモダンのように思えますが、加賀藩主によって始められた石川県伝統の技法です。格式の高い部屋などに用いられてきたもので、石川県出身の桜井氏が地元の伝統を取り入れたといわれています。

旅館時代のバーは今は喫茶室となっており、起雲閣ブレンド珈琲や橙マーマレードを使ったロシアンティ風の熱海紅茶など、この地ならではのメニューが楽しめます。

 

池泉回遊式庭園

起雲閣の三千坪の敷地のうち千坪を占めるのが池泉回遊式庭園です二代目所有者・根津嘉一郎氏によって、そのほとんどが整えられました。

池泉回遊式庭園は”ちせんかいゆうしきていえん”と読み、中心に設けられた池の周囲をめぐりながら庭園を鑑賞できる様式をいいます。

茶人でもあった根津氏自ら指揮をとったと伝わり、点在する建物のいずれからでも眺望を楽しめるよう設計されています。中央に配置された巨石の重さは推定20トンといわれ、20人の庭師が2カ月ほどかけて運んだそうです。

庭園に一歩足を踏み入れると静寂が広がり、四季折々に姿を変える美しい自然を愛でることができます。

 

また、起雲閣には企画展示室もあり、さまざまなイベントが開かれています。

いつ行っても新しい発見のある起雲閣熱海を訪れた際はゆっくり見学したいスポットです。

 

また、起雲閣周辺を散歩するなら、ぜひ来宮神社にも立ち寄りたいところ。この神社の神様はなんと「禁酒の神様」です。

御神木である樹齢約2000年の「大楠」は国指定天然記念物。その太さは全国2位を誇る周囲24mです!1周すれば寿命が1年延びるといわれるパワースポット。起雲閣と共に人気を集めています。

 

熱海で別荘を持つならリゾートマンションがいい?

都心からも近く、効能あらたかな温泉が湧く熱海は憧れのリゾート地のひとつです。できれば別荘を構えて優雅な週末を過ごしたいものですが、管理の大変さを思うと簡単に手は出せません。

熱海にはリゾートマンションもたくさんあります。リゾートマンションとは、リゾート地にあって、主に週末や長期の休日にレジャー目的で利用するものです

現代人のライフスタイルにはどちらが合っているのでしょうか。

 

温泉付きのリゾートマンションもある

熱海には温泉付きのリゾートマンションがたくさんあります。いつでもすぐに温泉が楽しめるリゾートライフは休日をゆっくり過ごしたい人にとっては最適でしょう

実際に売買されているマンションの物件をチェックしてみても、たくさんの温泉付きマンションが見つかります。新築にこだわらなければ格安物件も発見できるかもしれません

リゾートといえば熱海以外に興味がないという方ならリゾートマンションの購入は選択肢のひとつといえそうです。

 

熱海は値崩れしにくい

マンションを購入する際には、売却時の需要も気になるところです。

リゾートマンションは当然のことながらレジャー目的で購入する人がほとんどで、通勤の利便性を考慮した一般のマンションと比べ、さほど高い需要が見込めるわけではありません。そのため、不景気になれば、売却する人は増え、購入しようとする人は減るため、供給過多となって値崩れを起こしやすいものです。

しかし、熱海のリゾートマンションは値崩れしにくいというメリットがあります

なんといっても熱海は国内有数の温泉地です。温泉は季節を問うものではなく、特に歳を重ねてレジャーと健康管理を兼ねて利用したいという一定層からの需要が見込めます。季節が限定されたり流行りに左右されるレジャーが目的の人をターゲットに建てられたリゾートマンションとは異なります。

つまり、季節や流行の影響を受けにくい温泉地というメリットに加えて、都心から近いという地の利が熱海のリゾートマンションにはあるわけです。

 

ただし、維持費がかかる

リゾートマンションを持つにあたって問題となるのは維持費です。

いったん購入すると、維持管理はどうしても必要になってきます共用施設が充実するほど、管理費の高額化は避けられません。

たとえ購入時の価格がお得だったとしても、毎月の維持費が何万もかかるのであれば、かえって高くつくこともあります。10万円以上の管理費がかかるケースもあるのです。

古い物件であればいずれは修繕費も発生する可能性が高く、将来的な経費も視野に入れて検討する必要があります

 

 

リゾート会員権なら維持費がかからない

維持管理費の負担を回避したいなら、リゾート会員権の購入という選択肢もあります。リゾート会員権とは、リゾート施設を使用する権利のことです。

使用権のみを購入し、不動産は所有しないため、維持費も発生しません。その上、全国各地のリゾート施設を利用できるというメリットもあります。

リゾート会員権を購入した場合と、リゾートマンションを購入した場合の経費や手続きについて表にまとめてみました。

 

リゾート会員権購入時 リゾートマンション購入時
初回経費 会員権購入費が必要 マンション購入費が必要
維持管理費 なし 定期的に発生
修繕費 なし あり
利用開始時 利用予約するだけで利用可能 家具など必要なものを揃える必要あり
セキュリティ費 施設が負担 所有者が負担
固定資産税 なし あり

 

どちらも購入費用は発生しますが、マンションの場合は何千万単位です。中には何百万円の物件もありますが、格安物件は中古で築年数が経っていることが多く、修繕費が別途かかることを想定しておく必要があるでしょう。

また、マンションは入れ物だけですから、実際に使用するには調度品を一から揃える必要があります。その上、セキュリティに関しても自分自身で手配しなければなりません。

面倒な手間や諸経費を省きたいのであればリゾート会員権購入がおすすめです

 

熱海と並ぶ別荘地・伊豆高原もおすすめ!

リゾート会員権にはさまざまなタイプがあり、中には使用する時期や滞在日数が決まっているものや、ハイシーズンに予約が取りにくく、かつ利用料が高額になるものも存在します。

けれども、ハイシーズンでも予約が取りやすく、利用料もお手頃で、熱海に限らず全国各地に利用可能な施設が多数あるタイプもあるのです。

静岡には熱海と並ぶ代表的な別荘地として伊豆高原があります。豊かな大自然に抱かれた大室山の麓で、地元の新鮮な食材をフレンチや和食で味わえる大人のリゾート施設が利用可能なリゾート会員権もあります。

海も見える景勝地、伊豆高原でゆったりと静かなときを過ごすのもおすすめです。

リゾート会員権によっては体験宿泊も用意されているので、実際に体験して情報を集めてみるのもいいかもしれませんね。

 

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